こんばんは!
フリーアナウンサーの小野木梨衣です。
先日、専門学校で話し方講師をした際に、「この人は一流だなぁ〜」と感服した言葉遣いがありました。
「とんでもないことでございます」
です。
「とんでもない」の意味や正しい使い方、ご存知ですか?
どんな時に言えると良いかについてご紹介します。
は是非参考になさってみてくださいね。
そもそも「とんでもない」の意味とはなんでしょうか?
飛んでもナイ?富んでもない?トンビ??
とんでもってなんだろう???
「とんでもない」は「徒でもない(道理に外れてひどい)」から転じた言葉と言われています。
「途でもないです」が変化してできた言葉だと言われています。
徒でもない→道のりがない→道理を外れた→途でもない→とんでもない
こうして変化しながら生まれた言葉なんですね〜。
辞書を引くと、”全く思いがけない。常識では考えられない。意外だ。とほうもない。”という意味が出てきます。
ビジネスのシーンでは、
「とんでもないことです。私だけの力ではありません。」と相手の称賛を軽く打ち消して謙遜する気持ちを伝えたい時に使います。
「とんでもない」で一つの形容詞なので、一部を切り離して、「とんでもございません」というのは、日本語文法的には間違っています。
ただ、2007年に文化審議会が「とんでもございません」の使用を認める発表をしているので、OKです。
言葉は生物。常に変わりゆくものですから世代や場によって上手く使い分けていきたいですね。
専門学校様からご依頼いただき、話し方講演をしに行った時のことです。
こちらが想定していた通りに講演スライドがうまく投影されなかったんですね。
講演後に主催者である専門学校の皆様からお詫びの言葉をいただきました。
「大変申し訳ありませんでした」と深々と謝罪をしてくださったのですが、私としては全く気にしておらず、むしろよかったと思っていました。
なぜならスライドが表示されない間、学生の皆様へむけて雑談をすることができ、とても緊張がほぐれたんです。
そんな気持ちをお伝えした際、主催者の方から返ってきた言葉が、今回ご紹介しているこのフレーズ。
「とんでもないことでございます」です。
さらっと言えたら、かっこいいと思いませんか〜?
皆さんの立場だったら、すぐにこの言葉のチョイスができ、いつも使っている言葉のように口篭らず、照れなく、サッと言えるでしょうか?
ほとんどの方が「いやいや、すみませんでした〜」なんて謝る言葉を連呼してその場を濁してしまうのではないでしょうか。
謙遜を表す言葉遣いは他にもあります。
これでもOKですが・・・
相手の気遣いから発せられた「〜さんのおかげでうまくいったんですよ」という部分に関して同意しない姿勢、
つまり!
相手の褒めを軽く否定して、有難く思う気持ちを伝えたかったら!
「とんでもないことです」
「とんでもないことでございます」
がベストなんです!
今回はビジネスや接客の場面で使いたい謙遜する言葉遣い「とんでもないことです」について、私が感服した実体験をもとにご紹介してまいりました。
育ちや品格は、言葉遣いに現れます。
語彙力が豊富で言葉のニュアンスを的確に使い分けている人は、コミュニケーション上手な人です。
言葉を味方に、未来を開いていきましょうね!
ここまでお読みいただきありがとうございました。